タイリクスズキの研究論文が読みたい。
生態についてもっと理解を深めるなら釣れる確率は確実に上がるはずでしょ。
ただ、もともと日本では外来種扱いなので日本語論文があまり多くない。
ヒラスズキやマルスズキとの生物的構造の比較論文のようなものはあるけど、
タイリクスズキにもっとフォーカスした情報が欲しい。
こうなりゃ・・・・中国語の文献読み漁るしかないやろ。
日本の10倍くらい人口がある中国。その中にタイリクスズキという商業価値の高い魚を研究している学者は確実にいるはず。
中国語で論文を検索するにあたり外国語は必要か?
調べていてふと思った。言語の壁ってでかいですよね。ネット上の最大の障壁と言えます。
一応日本語と中国語で私ほぼボーダレス状態になっているので、
せっかくなので、中国語の論文検索と情報取得方法を説明することにした。
基本的に英語でも読めるのですが、日本語では無理です。
グローバルに情報を集めたいなら最低でも英語は必須かと思われますが、
最近は翻訳ソフトの発達著しいので、翻訳ソフトもしくはオンライン翻訳サイトを使用するのもありですよね。
中国語の論文検索が必要なシチュエーションは?
私自身論文検索をするようになったのは、爆発栄螺さんとクワガタ撮りをするようになってからです。
こういう生物大好きでも異業種というか、異なるカテゴリーの人との交友は非常に面白いですね。
クワガタの生態や発見情報を論文から抽出する方法を教えていただきました。
その時思ったのが、これは魚でも使えるな。
さらに、ここでちらっと仕事上のネタバラシをすると、特定食品や商品に関して論文検索し、
論文引用しているサイト制作者は非常に少ないんですよね。
これ含めると権威性とオリジナリティが格段に上がります。
ほにゃららという物質について、色々な言語の学術論文を片っ端から検索したら、お宝情報出ます。
台湾向けなら台湾の論文引用が効果高いし、中国なら中国の論文引用がベストですね。
情報がないから他の言語の論文引用しまくりですけどね。
どっかの栄養士が言いましたとか言われても、栄養士って言うても色々いますよね。
栄養士の資格は2年間学校いけばほぼ取得できます。
だから、○○大学の○○教授の研究結果として出すほうがはるかに信ぴょう性高いです。
中国の論文検索サイトCNKI
ネット上で中国の論文検索すると、ほぼこのサイトしか出てこない。
言い方を変えると、このサイトが一番アクセスしやすい。
CNKIの問題点
PDFで論文の全文ダウンロードという機能があるのですが、
これはこのサイトにアカウントを作らないとダウンロードできません。
さらに、中国外IPにダウンロードは許されていません!!
なにぃ~~~って感じですよね。
ただ、緊急事態措置として、一年間に3回だけ国外IPから使用可能とか。
一回のログインにつき7日使用できると。
つまり中国外からのアクセスでは一年間に最大21日のみ使用可能。
ログインせずに見れるのは論文の一部なので、全文を読みたくなってしまう。
お金を出せばなんとななるでしょう。
日本の一部のサービスでCNKIから論文見るサービスをやっているところもありますし、
中国内に住んでいる人に頼んでダウロードしてもらうとかできます。
CNKIの検索は中国語でしたほうがいい理由
英語でも使用できますが、使用してみてわかることはなるべく中国語で使用すべし。
なぜそう言えるのかの一例を示します。
クワガタに関する論文を探すとします。
中国語(大陸中国語、簡体字):锹甲
中国語(台湾中国語、繁体字):鍬形蟲
英語:stag beetle
まず英語で調べます。
右上の検索窓にワードを打ち込み検索できます。
出てきたのはstag2遺伝子に関する論文ばかり。いや、stagはstagでも欲しい情報と違うんですけど。
簡単に言うと、英語での検索精度低!!
では、中国語です。
検索窓に「锹甲」と打ち込み検索。
クワガタに関する論文271件が出てきます。
ちなみに、台湾で使用されている中国語で検索したら
わずか30件のみの表示です。
このサイトいいのが、右側に一年間で発表された論文数がわかります。
さらに、学者名、この分野で活発に論文を出している研究者までわかる。
そこまでわかれば、熱意ある方なら英語で問い合わせ送ることも可能。
研究者によりけりですが、多くの学者は英語が可能です。
ただ、問い合わせるにしても先方に益があるものをこちらが提示しなければ相手にはされないでしょうけどね。
学名検索も有効
中国語わからないとおっしゃる方もいます。
生物の学名や物質名で検索して、中国語のキーワードを取得し、そのワードで検索する方法もかなり有効です。
文章で書いてもわかりにくいので、図解します。
例としてタイリクスズキ(Lateolabrax maculatus)です。
このラテン語学名で検索すると情報が52出てきました。
ここから何を抽出すべきか?
それは学者の中で使用されているLateolabrax maculatusの中国語名を取得します。
なぜなら、Lateolabrax maculatusには七星鲈鱼,海水鲈鱼,日本花鲈、日本真鲈,花鲈、青鲈,俗称がかなりあります。
上記の検索結果を見てわかるように、中国の研究者たちはLateolabrax maculatusを花鲈と呼んでいます。この共通理解って非常に重要だと思います。
次にやるべきことはもうお分かりだと思いますが、この学者間共通のワードで検索をかけます。
花鲈で検索すると503件文献が出現。
こんな感じでより多くの情報を集めることができます。
学校や日本語の他サイトでは教えないCNKIの活用法
中国の論文検索なんてほとんどニーズがないと思いますが、CNKIのめんどくさい点は先ほど記載しましたように全文見れないこと。
タイトルと書いた研究者見ても益にならんわと言われそうですが、
全ての論文でできる方法ではないですけど、全文見る方法があります。
ではまた一例です。
「锹甲幼虫人工饲料的初步研究」(クワガタ幼虫の人口餌に関する初期研究)という上海師範大学、屠跃邺氏の修士論文。
こちらの例です。
やっぱりごく一部しか読めないです。
ここで、タイトルをコピーします。
そして、中国最大検索エンジン百度で検索します。
CNKI以外のサイトがぽつぽつ出てますね。
見てみました。
あ、全文出てますわ。
この方法は全ての論文に使えるわけではないのでお気をつけください。
台湾の論文検索について
これもニーズあるのか知らないですけど、台湾の論文検索サイトはgoogle scholarですね。
ただ、台湾は人口2300万人くらいで、中国福建省の人口よりも少ないです。
つまり、学者の数もかなり少ないので欲しい情報がないことが多々発生します。
もしくは研究者自体いないんじゃないかと思えます。
中国大陸の情報量と比べると、中国語のみの検索で言えば台湾は圧倒的な情報弱者であると言わざるを得ません。
例えば、先ほどのタイリクスズキの研究論文に関していえば
中国大陸側で検索すると503件ヒットしたのに対し、台湾は以下のようになります。
わが目を疑った検索結果です。Lateolabrax maculatusの研究論文たったこれだけ。それも特化した研究一件もない感じ。
これに対し、大陸側52件で、専門的な論文もある。
台湾でもタイリクスズキは主要な海産物。というか、資源が少なく海に囲まれた台湾でタイリクスズキの重要度は大陸よりもはるかに貴重だと言える。
しかし、このインターネット上の研究結果。
あまりにも貧弱であるとしか言えない。
情報統制が行われている隣のエリアよりも、情報の自由度が高いけど人口が圧倒的に少ない台湾。
中国語で論文検索に関して終わりに
上記のように釣りブログと何の関係があんねんと思われそうな論文検索を
かなり強引なドリブル的な理論を振りかざして釣りにドッキングステーションさせた感は否めません。
ただ、あまりに釣れないと、なんでや~~~???となり。
めっちゃ調べたらやっぱり研究者の論文にいきつくんちゃいますかね。
日本の魚の場合はgoogle scholar使用して日本語で検索もありですね。
例えばおあずけさんチヌフリークなので、チヌ(Acanthopagrus schlegelii)の論文を日本語検索すると結構出てきますね。
飼育下のクロダイ Acanthopagrus schlegelii の活動量および遊泳深度の日周変化
漁港内にある緩傾斜帯 「船揚場スロープ」 における魚類の出現特性
タイトル見るだけでもめっちゃおもろそうではありますね。
チヌやらんから知らんけどw
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